「資産運用しているけど、少ししか利益が出ない」
「資産運用で不労所得なんて作れない」
よくこんなことを耳にします。
それは当然の話です。なぜなら、資産運用はふつう年利数%程度なので、少ない元本で資産運用してもあまり効果は大きくありません。
ただし、FXや株のデイトレーダーなどは別です。資産運用とは、生活の余剰資金を中長期で運用すること、と定義します。
富裕層で無い限り、資産運用のみで生活することは難しいです。
では、資産運用は利益が大きくないにも関わらず、なぜ大切と言われるのでしょうか?
元本が少ないと大して利益は出ない
何度も言いますが、元本が少ないと資産運用の効果はあまり大きくありません。
例えば、元本1,000万円を年利5%で運用しても、1年目の利益は50万円です。
1,000万円を運用しても、これだけか、、、
と思われたかもしれません。
別で、毎月10万円を年利5%で運用するケースを見てみましょう。
<1,000万円を10年間運用した場合>
毎月10万円を積み立てて、年利5%で10年間運用した場合
運用金額 | 運用益 | |
3年目 | 387.5万円 | 27.5万円 |
5年目 | 680.1万円 | 80.1万円 |
10年目 | 1552.8万円 | 352.8万円 |
上の図を見てみると分かりますが、毎月10万円積立の年利5%で運用しても、10年間で運用益は約352万円です。
この金額なら、1年間正社員で働けば稼げる金額です。
それに、これは順調に年利5%で運用できたケースです。たいてい、こんな上手くはいきません。
「資産運用で不労所得を得ましょう」と巷でよく言われますが、実のところ資産運用のみで不労所得を得るのはかなりハードです。
なぜ投資が大切と言われるのか?
では、なぜ資産運用が大切と言われるのでしょうか?
その理由は主に2つです。
①資産運用能力を身につける
なにも「元本が少ないから資産運用をしなくてもいい」と言っているのではありません。
たとえ元本が少なくても資産運用をするべき理由は、「資産運用能力」を身につけるためです。
この先低金利の時代は続き、社会保障費の負担増や物価上昇によって、ますます家計に苦しむ時代を迎えるでしょう。
こんな時代を迎える僕たちにとって、資産運用は避けて通れない問題です。
そのために、元本が充分でなくても、今から資産運用を学んでいくことをおすすめします。
それに、むしろ元本が少ない方が損失の傷が浅くて済みます。
②預金は実質目減りしている
僕たちが使う一般の銀行口座で、金利がマイナスの口座はありません。
だから、銀行にお金を預けていればお金は減らないと考えます。
しかし、これは違います。実は、実質的には預金のお金は目減りするのです。
厚生労働省の調査によると、平成11年から賃金は約300万円で推移しています。賃金上昇率も、平成11年から±1%程度で推移しています。
要するに、ここ20年間は給料がほとんど上がっていません。
対して、物価はどうでしょうか?
以下は、厚生労働省調査による、消費者物価指数(物価の変動を表す指数)の推移を示すグラフです。
近年では緩やかな傾向を見せているものの、物価は着実に上がっています。
賃金が上がらまま物価が上がるとどうなるのでしょうか?
それは、日本円の価値が下がります。
今はコンビニで1杯100円で購入できるコーヒーも、10年後には300円払わないと買えなくなるかもしれません。
つまり、銀行にお金を預けるだけでは、お金の価値は減ってしまうかもしれません。だからこそ、お金をただ放っておくのではなく、資産運用で少しでも増やす必要があります。
一番安全で確実な資産運用がある
少し話がズレますが、この世の中には、一番安全で確実な資産運用があります。
それは「人的資本」への投資です。
人的資本とは、自分が生涯稼げる力や貯蓄できる力を表すものです。
すなわち、人的資本は「市場での自分の人材価値」を示します。
では、人的資本への投資には、どのような方法があるのでしょうか?
以下は、人的資本への投資の一例です。
<人的資本への投資の一例>
・毎日遅刻や無断欠勤をせずに、真面目に働く
・会社で昇進する
・管理職になる
・資格の勉強をする
・副業する
・起業して自分のビジネスを立ち上げる
・失敗を反省して、次の行動に活かす
中にはリスクの大きいものも紹介しましたが、これらは一貫して人材価値を上げることが可能です。
人的資本への投資に失敗はありません。例え事業で失敗したとしても、それまで人生で経験してきたことは、人的資本にプラスになるはずです。
まずは資産運用を始めてみる
資産運用するかどうか悩んでいるなら、とにかく始めてみて下さい。
損をするのが怖い、、、
とお考えかもしれませんが、大丈夫です。
全財産をつぎ込まない限り、一般人が資産運用で出す損失額なんてしれています。ちゃんと働いていれば、取り返すことは可能です。