貯金が1,000万円貯まった!
こんなことをよく耳にすると思います。しかし、これってよく考えたらおかしい時があります。
それは、この貯金には借金が含まれていないことです。借金を抱えているのに、銀行口座の預金がそのまま自分の資産だと考えるのは危険です。
そこで、今回は資産を把握するのに大切な「純資産」について紹介します!
貯金があっても借金が多かったら意味がない
純資産とは「純粋な自分の資産」のことです。
純資産は現金であることもあれば、株式や債券、不動産、金などの形になっていることもあります。純資産には、借金が含まれません。
例えば、以下のような家計を想定します。
<ある家庭の家計>
貯金:1,000万円
住宅ローン残り:1,200万円
純資産:1,000万円-1,200万円=-200万円
手元に1,000万円が残っていると、貯金がたくさんあるようにも思えます。しかし、実はこの家計の純資産は200万円のマイナスです。
つまり、言い方は悪いですがこの家庭は「他人のお金のみで生きている」ことになります。
このように、貯金ベースで考えると、実は純資産はあまり残っていないことや、マイナスになっていることもあります。
純資産で考える思考ベースに
この記事で言いたいことは「貯金ベースで資産を把握するのはやめよう」ということです。いくら貯金があっても、借金が多ければ意味がありません。
貯金が貯まると「自分ってお金持ちじゃね?」と思います。しかし実は借金も多くて、純資産は僅かしかない、なんてことはよくある話です。
資産を把握する上で必要な思考は「純資産がどれだけあるか」です。
貸借対照表(B/S)で把握する
では、純資産を把握するにはどうしたら良いでしょうか?
それは、貸借対照表(B/S)を使うと便利です。
貸借対照表とは、自分の資産や負債の状況を把握するための表です。企業が自社の資産状況を把握したり、対外的に公表するために用いられます。
この貸借対照表は、家計に用いることも可能です。
貸借対照表は、以下のような表で表します。
この図に、それぞれの数字を入れます。
<貸借対照表の計算>
資産→自分が持っている全ての資産額を入れます。現金の他に、株式や不動産なども含みます。
負債→全ての借入金を入れます。
純資産→資産から負債を差し引いた額です。ここは自動的に求まります。
純資産は資産から負債を差し引いた額なので、自動的に求まります。資産よりも負債の方が大きい場合は、純資産はマイナスになります。
この右下の純資産を増やすことが、労働や資産の1つの目的となります。
純資産がプラスの場合
例を出して考えてみましょう。
<ある家庭の家計>
貯金:500万円
株式運用:200万円
奨学金:100万円
住宅ローン:300万円
上の家計では、貸借対照表は以下のようになります。
上のケースでは、純資産が300万円となりました。
つまり、資産の使って借金を全額返済しても、300万円は手元に残ることになります(金利などは考慮していません)。
純資産がマイナスの場合
続けて、純資産がマイナスのケースについて見ていきましょう。
<ある家庭の家計>
貯金:200万円
株式運用:300万円
住宅ローン:1,000万円
上から分かるように、この家計では純資産がマイナスになっています。
資産のすべてを住宅ローンの返済に充てても、借金が残ることを意味します。
純資産が赤字の時に取る行動
では、純資産が赤字の時に取るべき行動は何でしょうか?
それは、主に以下の2つだと考えています。
①生活費以外は借金返済に回す
②貯金は最低限にする
次から詳しく見ていきましょう。
①生活費以外は借金返済に回す
なるべく、生活費以外は借金返済に回すのがベストです。
さすがに生活費の全てを借金返済に回すと、生活できなくなります。そのため、生活費はある程度残して、その他は借金返済を優先します。
例えば、僕の場合は奨学金が残ってます。そのため、収入から生活費を引いた残りは「借金返済」用の口座にお金を分けています。この口座のお金は「他人のお金」なので、手をつけません。借金返済用の口座にある程度お金が貯まったら、返済する予定です。
借金が残っている場合は、借金返済用の口座を作ることをおすすめします。
②貯金は最低限にする
借金がある間は、貯金は最低限にすると良いです。
貯金してても純資産がマイナスな状態は、早く避けたいものです。最低限な貯金を残して、他は借金返済に充てます。
こんなことを言うと、こう思うかもしれません。
急にお金が必要になったらどうするの?
確かにその通りです。なので、3ヶ月分の生活費を目安に貯金で残しておくようにしましょう。
そもそも、急に数百万が必要になることはほとんどないでしょう。「貯金は借金を返済してから」が基本です。
そもそも借金しない
そもそも借金をしないのがベストです。純資産がマイナスの状態を維持するのは、あまりよくありません。
車や家を買うなら、純資産で賄える範囲で購入しましょう。
純資産に余裕がない時は、収入の範囲で家を賃貸にしたり、車はカーシェアを使う手があります。こうすれば、家計が赤字になることはありません。
「高価な買い物は純資産の範囲で」
これが基本です。
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純資産の重要性について紹介しました。
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