株で含み損が出た時には、塩漬けにするのではなくすぐに損切りすることが大切だ。
当然、塩漬けをすると資金効率が悪くなるし、何より含み損を抱え続けることは精神衛生衛生上よろしくない。
✔人は損をするとリスクを好む
行動経済学では「プロスペクト理論」というものがある。
「人は得する場面ではリスク回避的になり、損する場面ではリスク友好的になる」という人間の性質である。
例えば以下のような場面を考えてほしい。
あなたはどちらのくじを選びますか?
A.「必ず5000円が当たるくじ」
B.「80%の確率で7000円当たるが、20%の確率で0円になる」
この場合、人は確実に利益を得ようとするのでAを選ぶ傾向にある。
(=リスク回避的といえる)
一方で、以下の場合ではどちらのくじを選びますか?
A.「必ず5000円を支払うくじ」
B.「80%の確率で7000円支払うことになるが、20%の確率で支払わなくてよい」
この時、「できるだけ損をしたくない!」と思い、Bを選ぶ傾向にある。
(=リスク友好的)
これには、損失回避が働くからである。人は極端に損失を嫌がる性質がある。
✔これは投資の世界でも起こる
これは投資の世界でも起こる。
利益確定しているような場面であれば、指標が売却シグナルを点灯していなくても、損を恐れて利益確定していまうことがある。
利益確定しても、株価が上昇し続け、得られた利益を逃してしまう。
逆に含み損をしている場面では、できるだけ損をしたくないと考えてしまい、損切りできずに損失を拡大してしまう、、、
これは、損失回避が働いてしまうためである。
✔投資で損失回避を防ぐには
方法は2つある。
①感情を排除する「逆指値注文」を使う
②損失回避が働いていることを自覚する
✔ ①感情を排除する「逆指値注文」を使う
損失回避を防ぐには、感情を排除する「逆指値注文」を使うとよい。逆指値注文とは、自動的に「〇〇円以上/以下になったら〇〇円で買付/売却」するシステムだ。殆どの証券会社に備わっているシステムだ。
逆指値注文を使えば、株を購入した時に同時に、自分の考えた設定額で損切り設定すればよい。
例えば、
●株価1000円の株を100株で購入(=10万円で購入)
●損切り設定は、購入株価の5%を切った額(=950円)
で設定しているとする。株を購入後、逆指値注文で「950円以下になった時に950円で売却」する注文を入れる。10万円で購入した株が下落しても、株価が950円まで下落したときに自動的に売却してくれる(5,000円の損失で済む)。
この時、逆指値注文を入れておらず、含み損をしている場面で「株価が上がるかもしれない」と保有し続けていれば、その後大きな損失を被っていたかもしれない。
このように逆指値注文は感情を排除できる非常に便利な機能だ。
✔②損失回避が働いていることを自覚する
2つ目は、含み損をしていて損切りを渋っているときに「今損失回避が働いているな~」と自覚し、早々に損切りをすることだ。ただし、これは強い意志を持っていないといけないので、正直難しいと思う。
✔損切りできる勇気を!
投資は勝率は大事ではなく「利益を得る」ことが大事だ。10回負けても、1回で大きく利益が得られれば良い。
その為にも、逆指値注文などを使って、スパッと損切りできる勇気が大切だと思う。