経済

なぜ景気は変動するのか?

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Analysis Pay Businessmen Meeting  - geralt / Pixabay

こんにちは!金融Webライターのおがりょーです。

今回は「景気はなぜ変動するのか?」について解説します。

 

景気には2種類あります。

それは「好景気」と「不景気」です。

 

景気には、バブル経済のような「好景気」もあれば、バブル崩壊後の「不景気」もあります。

 

好景気や不景気のように、なぜ景気は変動するのでしょうか?

今回は、その景気変動の仕組みについて解説します。

 

景気変動の仕組みについて知れば、景気の場面に応じた適切な投資ができるようになります。

学んでおいて損はないでしょう!

 

好景気と不景気を繰り返す

 

日本のような資本主義社会では、景気は「好景気」と「不景気」を繰り返すようにできています。

イラストに表すと、以下のように景気は循環します。

 

 

例えば、バブル経済が分かりやすい例です。

 

1985年のプラザ合意を発端に空前のバブル景気が始まり、俗に言う「万札でタクシーを止める」のような好景気が起こりました。

この好景気は、いつまでも続くかのように思われました。

しかし、1990~1991年に政府が過熱した景気に急激なメスを入れたことにより、バブル経済は突然終了を迎えました。

一気に好景気から不景気に転落し、日経平均株価や地価は急落したのです。

 

これは極端な例ではありますが、経済はこうやって「好景気」と「不景気」を繰り返すようにできています。

 

なぜ景気は変動するのか?

 

景気が好景気か不景気になる要因には様々ありますが、一番分かりやすいのが政府の金融政策や財政政策です。

 

好景気の時はどうなる?

 

好景気になると、経済にお金が円滑に流れます。

イメージで表すと、以下の通りです。

 

 

お金が円滑に流れることは良いことですが、一方で加熱した経済は危険でもあります。

バブル経済のように実体以上に株価や地価が上がり、また物価が上昇しすぎてモノ・サービスが購入できなくなることもありえます。

 

過熱した経済を抑えるため、政府は金融政策や財政政策を取ります。

 

例えば、

 

・法人税や消費税などを増税して、経済活動を調整する

・日本銀行が市場への貨幣供給量を減らして、カネ余りを解消する

 

上記のような国の政策によって、企業が設備投資を控えたり、個人でも支出を減らそうとします。

こうして、好景気から不景気へと変わります。

 

ただ、不景気になるのは突発的な理由なことが多いです。

過去には、2008年のアメリカのリーマンショックによる世界恐慌や、今年初めのコロナショックなどの要因で、好景気から一気に不景気に転じることが多いです。

 

不景気の時はどうなる?

 

不景気だと、経済のお金が上手く流れなくなります。

不景気の時には、企業は仕入れを減らして生産を調整したり、個人は娯楽を減らして節約するなどの行動が取られます。

 

 

不景気の状態がずっと続くと、賃金が減り、雇用が失われていきます。

このままでは経済は止まってしまいますので、政府は手を打ちます。

 

政府が不景気の際に、以下のような金融政策や財政政策を取ります。

 

・法人税を減税して、企業活動を活発にさせる

・公共事業(道路の整備や学校の建設など)を増やして、経済にお金を循環させる

 

企業や個人に経済活動を促すことで、不景気から好景気に向かうようになります。

 

景気の変動には様々な学説がある

 

景気の変動には、様々な学説があります。

ここでは、2つ例を挙げます。

 

キチン循環

 

「キチン循環」では、約3~4年の短期で景気が循環すると考えられています。

 

キチン循環の仕組みは、企業の仕入れに伴うとされています。

 

好景気:仕入を増やして、生産を増やそうとする。生産が仕入れを上回ると、企業は生産を調整する

不景気になる

不景気:仕入を減らして生産を調整する。やがて生産が増えていく。

好景気になる

 

ジュグラー循環

 

「ジュグラー循環」では、約10年周期で景気循環が起こるとされています。

ジュグラー循環では、設備投資のサイクルが景気変動を引き起こすと考えられています。

 

好景気や不景気では、何が起こるのか?

 

好景気や不景気では、私たちの身の回りには何が起こるのでしょうか?

 

賃金の変動

 

景気は、賃金に大きな影響を及ぼします。

 

好景気→企業は賃金を上げて、より優秀な人材を獲得しようとします。

不景気→企業は費用を抑えるために、賃金を抑制します。

 

雇用の変動

 

雇用も同様に、景気によって大きく左右されます。

 

好景気→企業はたくさんの人材を雇用して、生産活動を活発化させます。

不景気→費用を抑制するために、雇用を調整します。

 

物価の変動

 

景気によって、物価も変動します。

 

好景気→消費活動が活発になるので、物価は上昇します。

不景気→消費が冷え込んでいるので、物価は下落します。

 

設備投資の変動

 

設備投資とは、企業が工場の建設を行ったり、新たなシステムを導入するなどの企業活動のことです。

 

好景気→企業は設備投資を増やして、生産を活発化しようとします。

不景気→支出を抑えるために、設備投資を控えます。

 

まとめ

 

景気の変動は、国の金融政策や財政政策などによって起こると解説しました。

景気は常に一定ではなく、景気は好景気と不景気を循環しています。

 

ただし、この記事で紹介したのは学問上の考えで、実際には予想もつかないようなことが起こります。

 

例えば、アベノミクスで市場に多くのお金が出回りましたが、それでも景気は一気に好景気にはなりませんでした。

それは、市場のカネ余りに反して、物価や消費活動が予想以上に上がらなかったためです。

 

このように、実体経済は必ずしも学問通りにならない点に注意しましょう。

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