こんにちは。WEBライターのおがりょーです。
今回は「株価がどうやって決まるのか?勘違いされがちな株価を決める要因について理解しよう!」というテーマでお話しします。
よく勘違いされがちなことですが、「業績が上がるから」株価が上がるのではありません。
株価は「多くの投資家が上がると思ったら、業績に関係なく」株価は上がります。
つまり、 株価は投資家の需要と供給によって決定します。
以下、詳しく解説します。
株価は「需要」と「供給」で決まる
株価は投資家の「需要」と「供給」によって決定します。
「そんなの当り前じゃん!」
と思った方もいるでしょう。
しかしこの原則が、株式投資では忘れられがちになります。
良く勘違いされがちなのが、以下のような考えです。
「業績が上がったら株価は上がる」
「業績が下がれば株価は下がる」
しかし、正しくは上記の通りではありません。
正確にいえば以下の通りです。
「多くの投資家が株価が上がると思えば、“業績に関係なく”株価は上がる」
「多くの投資家が株価が下がると思えば、“業績に関係なく”株価は下がる」
このように、業績などは株価変動の直接の要因とはならず、投資家の「需要」と「供給」によって株価は決定すると覚えてください。
モノの価格の決まり方
株価は需要と供給によって決まると言いましたが、これは店で売られている“値段”と殆ど同じ仕組みです。
世の中のモノやサービスは、「買いたい人」と「売りたい人」で価格が決定します。
例えば消しゴムが店頭に売られるとします。
消しゴムの価格は「この価格で買いたい」と思う買い手と、「この価格売りたい」という売り手との間で決定します。
消しゴムで言えば1個100円ぐらいが妥当でしょう。
経済学では、この「買いたい価格」と「売りたい価格」が一致しなければ取引は起こらないとされています。
1万円の消しゴム→高すぎて、買い手は誰も買いたがりません
10円の消しゴム→利益がなくなるので、売り手は売りたがりません
このように、モノの価格は「需要」と「供給」の均衡価格によって決定します。
株価も「買いたい人」と「売りたい人」で決まる
モノの価格と同様に、 株価も「買いたい人」と「売りたい人」の価格で決定します。
「1万円で株を買いたい」投資家と、「1万円で株を売りたい」投資家がいれば取引が成立します。
株価は需要と供給によって決定するので、株を買いたい人が増えれば株価も上昇します。
例えば業績が上がったり、テレビで紹介されたりすれば、「株価上がるかも」と思って買う人が増えます。
反対に株を売りたいと思う人が増えれば、株価は下落します。
業績が下がったり、不正がニュースで取り沙汰されれば株を売りたい人が増えます。
このように、株価は意外にも投資家の感情や心理によって決まります。
「テレビで取り上げられていから買いたいな~」という投資家が多くなれば、簡単に株価は上がります。
株は買いたくても買えない時がある
株は買いたくても買えない時があります。
それは「需要」と「供給」が一致していないからです。
「1万円で株を買いたい人」と「5万円で株を売りたい人」の間では当然取引は成立しません。
株式投資では需要と供給の「均衡点」を見極め、適正な価格で売買する能力が求められます。
株式投資は「みんなが上がりそうだと思う企業」を当てるゲーム
株式投資を勝つには 「みんなが上がりそうだと思う企業」を探り当てる能力が必須です。
なぜなら、「みんなが上がりだと思う企業」の株にお金が集まれば、必然的に株価も上昇するからです。
大抵の投資家は長期的な視野を持たず、「目の前の利ざや」を得るために行動します。
投資家は上がりそうだと思う株を買い、買った時より株価が上がれば売って、その差額を儲けにします。
かの有名な経済学者ケインズは、株式投資を「美人投票」に例えました。
美人投票とは、美人が並ぶコンテストで「誰が一番きれいか?」を当てるゲームです。
美人投票では
「誰が一番きれいか?」
を考える投票者は、まず1位を当てられません。
誰が一番きれいかを当てるには、
「他の人は誰を1位に選ぶだろう?」
を考える必要があります。
株式投資もこの美人投票と同様です。
「誰が一番きれいか?」→これは株式投資の例えとしては不適切です。
「他の人は誰を1位に選ぶだろう?」→これが株価を決定します。多くの投資家がどう評価するによって株価は変わるのです。
経済学では「テクニカル分析」などは意味がないとされていた
昔の経済学では「テクニカル分析」や「ファンダメンタルズ分析」では将来の株価を予想することができないとされてきました。
なぜなら分析によって得られる情報は誰もが知っているため、既に株価に反映されていると考えられているからです。
これを経済学では「効率的市場仮説」と言います。
「テクニカル分析」→チャートを見て将来の株価が予想できるなら、その情報は誰もが知っているはず。だから既にその情報は株価に反映されている。
「ファンダメンタルズ分析」→決算情報などを見て株価が分かるなら、その情報は誰もが知っているはず。だから、既にその情報は株価に反映されている。
この考え方は1960年~1970年代に主流になった考え方ですが、その後批判されてきました。
なぜなら、 「効率的市場仮説」ではバブルの発生やバブル崩壊を説明できなかったからです。
株価は投資家の感情や心理によって動くことが多いので、人の心理を排除する経済学では説明できなかったのです。
つまり、「株価は投資家の感情や心理によって動くもの」の原則は不変です。
投資家の心理を読むには「行動経済学」が良い
では、投資家の心理を読むにはどうすれば良いのでしょうか?
投資家の心理を読むのにおすすめなのが「行動経済学」です。
行動経済学とは、超合理的な「経済学」と、「心理学」を組み合わせた学問のことです。
経済学では合理的経済人(自分の利益のために常に合理的な判断ができる人)が主人公になっていますが、現実では他人の利益のために行動できるような「非合理的な人」も登場します。
そこで、人の心理を理解し、それを経済学に応用したのが「行動経済学」です。
行動経済学では投資家の思考の癖についても明らかにしています。
行動経済学は難しい学問ではなく、本でも簡単に勉強できます。
特に「今日から使える行動経済学」は、行動経済学の理論が分かりやすくまとめられていますので、最初に勉強するにはおすすめの本です。
まとめ
株価は「業績が上がるから株価は上がる」のではなく「 “多くの投資家が上がる”と思ったら業績に関係なく株価は上がる」のです。
従って、株式投資で勝つためには、「投資家の心理を読み先手を打つ」スキルが求められます。
そのためには行動経済学などが役に立ちますので、トレードの空いた時間に勉強してみるのもいかがでしょうか。