つみたてNISAやiDeCoといった制度が始まってから、投資信託に関心を持つ方が多くなってきました。しかし、いざ投資を始めてみようと思っても
投資信託って何?どんなものを選んだらいいの?
と悩んでしまってなかなか一歩を踏み出せない、という方がいます。
そこで今回は、投資初心者のために「投資信託」をわかりやすく解説します!
更に、最近話題を集めている「ノーロード投資信託」についてもメリット・デメリットを含めて解説します!
投資信託の仕組みはどうなってるの?
投資信託とは、投資家から資金を集め、運用の専門家が投資家に代わって運用を行う金融商品の事です。
「投資家から集めたお金を何にどうやって投資するか」は、投資信託ごとの運用方針で違います。
例えば株を投資対象とする投資信託の中でも「日本の株式に投資する」「米国の株に投資する」「新興国の株に投資する」というように投資先は様々です。
自分自身で「日本の株に投資しよう」と思っても、予算内で買える銘柄を選んだり実際にタイミングを見て売買したりするのは難しいですよね。
投資信託ならそういった運用を専門家が、あなたに代わって運用をしてくれます。
投資信託のメリットとデメリット
投資信託のメリットとデメリットについて、説明していきます!
投資信託のメリット
投資信託のメリットは、以下の通りです。
①小額から始められる
株式や債券に投資するには、ある程度まとまった資金が必要です。しかし、投資信託は1万円程度から始められます。
②分散投資できる
投資の基本に「色々な資産に分散して投資する」という基本的な手法があります。しかし、自分自身で「日本株と債券と米国株に分散投資しよう」とすると資金も銘柄を選ぶ時間も必要です。
そこで、少額で始められる投資信託なら様々な商品に分散投資する事が可能となります。また投資信託自体にも「株や債券にバランスよく投資してリスクを分散する」タイプのものがあります。
③専門家に運用を任せられる
投資に必要な手法を自分で勉強するのは難しいですが、投資信託ならプロの投資家が、あなたに代わって運用してくれます。
投資信託のデメリット
投資信託のデメリットは、以下の通りです。
①元本保証ではない
その時の基準価額(投資信託の値段)によって価格が決まるので、相場の状況によっては買った時の金額を下回る時もあります。元本保証の商品では無い点に注意しましょう。
②定期的な見直しが必要
投資信託は、基本的に「長期保有」を目的として作られています。そのため1度購入した後は「運用は専門家がやってくれるから、放っておいてもいいよね」と勘違いしてしまう方がいます。しかし、投資信託の中には運用がうまくいかず純資産額(投資家が預けている金額)が年々減っていくものもあります。定期的に「この投資信託は今の相場に合っているかな」「運用成績は上手くいっているかな」と見直す必要があります。
③コストがかかる
投資信託にかかる主なコストは3つあります。
投資信託の手数料 | 内容 |
購入時手数料 | 購入時にかかる手数料です。投資信託によって手数料は違うので買う時は必ず確認しましょう。 |
信託報酬 | 保有中に発生する運用管理費用です。個別に支払うのでは無く、預けている資産全体の中から引かれています。 |
信託財産留保額 | 売却時に発生する手数料です。個別に支払うのではなく、解約時に差し引かれるものです。 |
この3つの中でも「信託報酬」は投資信託によって異なりますが、基準価格の0.1~3%程度とかなり幅広く設定されています。できれば信託報酬は0.3%程度までで選びたい所です。
こうしたデメリットの中でも、日本は投資信託の手数料が米国と比べて高いのが現状です。
しかし近年、この販売手数料が一切かからない「ノーロード投資」がインターネット証券などで販売され注目を集めています。投資初心者も始めやすいノーロード投信を解説していきます。
ノーロード投資信託とはどんなもの?
ノーロード投資信託とは、「販売手数料の無い」投資信託の事です。
従来、投資信託を購入する時は、証券会社や銀行の窓口で購入する必要がありました。更に、金融商品取引法で「投資信託を販売するにはリスクやコストなど商品説明をする義務」が定められているため、担当者の商品説明や購入手続きにかかる費用として高い手数料が発生していました。
しかし、近年インターネット証券が普及し、ネット証券で投資信託を買付すれば担当者の負担が無いため、販売手数料の無い投資信託が普及してきたのです。
投資初心者にとって、運用にかかる費用は大きな問題ですよね。そのため、コストがかからないノーロード投資信託が注目されています。
ノーロード投信のメリット・デメリット
ノーロード投資信託のメリット・デメリットについて説明していきます!
ノーロード投信の3つのメリット
ノーロード投資信託のメリットは、以下の通りです。
①販売手数料が無料
一般的には、投資信託は買付の際3%の手数料がかかりますが、ノーロード投資信託は販売手数料がかかりません。
②ネット証券で手軽に購入できる
ノーロード投資信託を扱っているのはネット証券会社です。そのため、わざわざ窓口に足を運ぶ必要がありません。また購入金額も、小額から購入しやすくなっています。
③リスクの低いものが多い
ノーロード投資信託は「インデックス型」と呼ばれる運用をしているものがほとんどです。
「インデックス」とは、簡単に言うと「市場のモノサシ」になります。
株式市場を例にとって解説します。「今後、車で有名なトヨタの株は上がりそうですか?」と聞かれてもイメージが沸かないですよね。
ですが、「今後日経平均は上がりそうですか?」と聞かれたらどうでしょうか。イメージが持ちやすくなります。
インデックスファンドとは日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)に連動するように運用されている投資信託の事です。投資初心者でも売買のタイミングが比較的イメージしやすいのが特徴です。
ノーロード投資の3つのデメリット
続いて、ノーロード投資信託のデメリットです。
①きちんとした説明が受けられない
ノーロード投資信託はネット証券での取り扱いがほとんどです。そのため、詳しい商品説明を受ける事はできません。自身で情報を集めてどの投資信託を買うか考えなくてはいけません。
②販売手数料以外のコストはかかる
ノーロード投資信託は販売手数料が無料ですが、信託報酬と信託財産留保額は別でかかります。総手数料を考えると他の投資信託より割高だった、という商品もあるのできちんと確認しましょう。
③大きな利益は出しにくい
メリットの所で「リスクが抑えられている」という点を挙げました。これは、つまり「大きな値上がりも期待できない」という事に繋がります。
投資においてリスクの大きな商品は値動きが大きいので、高い利益が出やすく、また大きな損失をも生み出します。逆に、リスクの少ない商品は値動きが少ないので大きな利益を生み出さない代わりに損失も少なくて済むといった特性があります。
ノーロード投資信託はこうやって選ぶ!
ノーロード投資信託の選び方について紹介します!
①純資産額を確認
純資産額は「投資家から預かっている資産額」と「投資信託の運用成績」の2つを表す指標です。運用成績が良ければ多くの投資家が資産を預けるので、純資産額は上がりますし、逆に運用成績が悪ければ下がっていきます。一般的には30憶以上の純資産額がある投資信託を選ぶと良いと言われています。
②すべての手数料を確認
ノーロード投資信託は販売手数料が無料ですが、信託報酬と信託財産留保額は無料ではありません。総手数料を確認するようにしましょう。
③投資先を確認
ノーロード投資信託の投資先には多くの種類があります。日本株式に投資をするもの、米国株式に投資をするもの、新興国の株式に投資をするもの、株や債券をバランスよく組み入れて運用しているものと様々です。
例えば、自分自身が「日本株より米国株の方が上がりそうだな」と考えれば米国株に投資するものを、「新興国に投資したい」と思うなら新興国に投資をするタイプを選ぶと良いでしょう。もちろん、分散投資として色々な銘柄を購入する方法もおすすめです。
ノーロード投資信託の銘柄はどんなものがある?
各証券会社が出しているノーロード投信は数多くあります。
・全世界の株式に投資するもの
「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」
「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」
・日本株式に投資するもの
「ニッセイTOPIXインデックスファンド」
「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」
・日本のリートに投資するもの
「Smart-i Jリートインデックス」
「たわらノーロード 国内リート」
ここに挙げたものはほんの一例であり、しかもこの他にも投資対象は様々あります。
ノーロード投資信託を理解して、投資を始めてみよう!
投資信託は、初心者に始めやすい投資です。
特に、販売手数料が無料でコストが低い投資信託「ノーロード投資信託」が注目を集め始めました。
投資信託ではコストをできるだけ抑えることがコツです。「これから投資信託をやってみようかな」という方には、販売手数料のかからない「ノーロード投資信託」がおすすめです!