こんにちは!金融Webライターのおがりょーです。
今回は「P/Lの売上総利益」について解説します!
P/Lとは損益計算書のことで、企業の収益と費用を示しています。
(P/L=Profit&Loss Statementの略)
この損益計算書の項目の中で、上から3つ目の項目が「売上総利益」です。
(参照:会計ソフトfreee「 損益計算書とは? 項目別の見方やチェックポイント、活用法を解説」)
結論から言うと、売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いた、企業の大まかな利益を表します。
売上総利益とは?
売上総利益とは、売上高から売上原価を差し引いた、企業の大まかな利益を表します。
売上総利益は、別名「粗利益(あらりえき)」とも呼ばれます。
売上総利益は、以下のような計算式で求まります。
売上総利益=売上高-売上原価
売上総利益を見ると、「企業の商品販売による大まかな収益性」が分かります。
例えば、リンゴを販売する商店があるとします。
リンゴを原価100円で200個仕入れて、150円で販売したとします。
リンゴ200個を全てを売り切ったと仮定すると、以下のようになります。
売上高→200円×200個=30,000円
売上原価→100円×200個=20,000円
売上総利益=30,000円-20,000円=10,000円
このように、売上総利益では、企業が商品の販売によって得られた利益を計算できます。
ただし、売上総利益がマイナスになることもあります。
上記のような売上高が売上原価を上回っている場合は、売上総利益がプラスになっています。
他方、仕入れた商品が売れなければ、売上総利益がマイナスになる可能性もあり得ます。
また、注意してほしいのが「売上総利益自体は、企業の正確な利益を表さない」という点です。
売上総利益は、大まかな利益を表すものです。
売上総利益から人件費や販促費等の費用を差し引けば、「営業利益」が求まります。
営業から本業以外で得た収益、法人税などが加味すれば、「当期純利益」が求まります。
P/Lを見るのに大切なのは、これらの「営業収益」や、P/Lで最終的に求まる「当期純利益」などです。
ただ、売上総利益はP/Lの根本でもあるので、必ず覚えておきたいですね。
売上総利益は、あくまでも「企業の大まかな収益性を表す」点にご注意ください。
売上総利益率とは?
売上高と売上総利益が求まると、「売上総利益率」も求まります。
売上総利益率とは、売上に占める売上総利益の割合を表します。
売上総利益率は、別名「粗利益率(あらりえきりつ)」と呼ばれます。
売上総利益率は、「企業の大まかな収益率」を表します。
売上総利益率は、以下の計算式で求められます。
売上総利益率(%)=売上高総利益÷売上高×100
ただし、売上総利益率が高いからと言って、企業の収益性が良いとは一概に言えません。
なぜなら、売上高総利益率の平均は業界によって異なるからです。
売上総利益率の業界ごとの平均は以下の通りです。
(令和元年中小企業実態基本調査をもとに、ライターが算出しました)
2019年 中小企業 売上高及び営業費用 産業別・従業者規模別表
業界 | 不動産業
物品賃貸業 |
製造業 | 小売業 | 情報通信業 |
売上総利益率 | 47.0% | 24.4% | 30.0% | 45.9% |
※小数点第2位で四捨五入
このように、業界によって売上総利益率がばらつきがあります。
だからこそ、売上高総利益率は同業種で比較することが大事です。
まとめ
売上総利益と売上総利益率の意味や計算方法について解説しました。
売上総利益や売上総利益率は、企業のおおまかな収益を見るのに役立ちます
売上総利益→企業の大まかな“収益額”を表します。
【計算方法】売上総利益=売上高-売上原価
売上総利益率→企業のおおまかな“収益率”を表します。
【計算方法】売上総利益率(%)=売上総利益÷売上高×100
以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました!